ピオーネ-独断と偏見のぶどう品種紹介82010年04月13日 21時38分41秒

ピオーネ

1957年に静岡県の井川秀雄氏が巨峰とカノンホールマスカットの交配して作出した品種です。糖度は16~21度、一粒重14~20gと大粒になります。熟期は8月下旬で樹勢が強く徒長的で実止まりが悪く、種有り栽培にはかなり高度な技術が必要です。

ピオーネは一昔前に流通していましたが、栽培の難しさと糖度が低く、酸味の強い(つまりおいしくない)のためにすたれてしまいました。

しかし、ジベレリン処理で種無し栽培にすることにより、栽培し易くなり、復活してきました。種有りのピオーネを食べたことがないので断言はできないのですが、やはり種無しにすると種有りよりは味は落ちると思っています。でも、巨峰に比べてジベレリン処理することによる果粒の肥大化の効果は大きく、見た目のボリューム感と種無しということから人気を集めているようです。

個人的には種無しではピオーネも巨峰もあまり味は変わらないように思います。種有り栽培の巨峰がやっぱりおいしいと思います。

苗木の販売数では数年前に巨峰を抜いて1位になっています。今年は新品種の登場で3位に落ちました。

写真は植原葡萄研究所より引用。

巨峰-独断と偏見のぶどう品種紹介72010年04月06日 22時02分02秒

巨峰

やっぱり日本を代表する品種は巨峰だと思います。金正日も食べているらしいです。今のところ、日本では栽培面積1位です。でも、もうすぐピオーネに抜かれそうですが。 巨峰は1937年に静岡の大井上康氏がキャンベルの巨大変異種である石原早生とロザキの巨大変異種であるセンティニアルを交配して作出した品種です。

糖度は18~20度、一粒重は16g程度です。巨峰は種有りの方がかなりおいしく、ジベレリン処理して種無しにすると味が薄っぺらくなります。他の品種より差は大きいと思います。

熟期は8月中旬~9月中旬で一般的な品種の割には専門知識がないと栽培は簡単ではありません。また、鉢植えなどの小木仕立てにするにはかなりの技量が必要です。

瀬戸ジャイアンツ-独断と偏見のぶどう品種紹介62010年04月04日 20時12分23秒

瀬戸ジャイアンツ

白色(緑色)系品種が続いたのでついでにもう一つ。グザルカラーとネオマスカットの交配で1979年に岡山で作られました。雄芯反転性という特性をもつので自然のままでは結実しにくい性質があり、ジベレリン処理で結実を確保します。

糖度は18~19度、一粒重は14~16gです。今まで紹介したマスカット・オブ・アレキサンドリア、ロザリオビアンコ、ロザキに比べると味は少し劣ります。しかし、皮が薄く、種もないので非常に食べやすい。他にも皮も食べられるバラデイー、ピッテロビアンコ、リザマートなどの品種に比べても薄く、皮ごと口の中に入れても気にならない。

味は少々落ちるが皮の薄さでパクパクと食べられ、すぐになくなってしまいます。私はとても気に入っています。

このぶどうの見分け方は、桃のように粒の先が2または3つに割れた物が樹勢が強く、味もいいです。割れていない物は樹勢が弱く品質は劣りますので、見分けやすいです。

岡山では岡山県桃太郎ぶどう生産組合の組合員と組合の承認を得た生産者のみが「桃太郎ぶどう」の商標を用いていますが、品種はこの瀬戸ジャイアンツです。岡山の値段の高い桃太郎ぶどうより他県で作った瀬戸ジャイアンツの方がお買い得かも…

写真は植原葡萄研究所より引用。

ロザリオビアンコ-独断と偏見のぶどう品種紹介52010年03月31日 23時34分56秒

ロザリオ・ビアンコ

1976年に山梨県の(株)植原葡萄研究所が世界的に有名なロザキとマスカット・オブ・アレキサンドリアを交配して生まれた品種です。糖度は20~21度、一粒重は8~14g。果粒は黄緑色で巨峰よりやや小さめです。酸味が少なく甘みが強く上品な味です。関東地方ではかなり知られるようになってきたようです。

熟期は9月上旬~中旬で、やや病気に弱い。若木などの樹勢の旺盛な場合は萌芽が遅く、むらがあることが欠点。栽培は山形以南で可能。5年目頃から粒の張りもよくなり、味ものってきてとてもおいしくなるようです。

市場では緑色のヨーロッパ系ぶどうは鮮やかな緑色の状態で出回っていますが、完熟すると黄色に近い色になります。見た目の鮮やかさより、旨さを味わっていただくため、完熟を重視して収穫します。

巨峰は好きでもアレキや本品種などのような緑色のヨーロッパ系品種はあまり口に合わないという方もいるようです。

個人的には好きな品種です。

ロザキ-独断と偏見のぶどう品種紹介42010年03月28日 22時00分16秒

ロザキ

アラビア原産のロザキは元々「白いブドウ」を意味し、イタリアでは「レジーナ」と呼ばれています。他にも各国で数多くの異名があります。日本ではマイナーですが、世界的に最も有名な品種です。イタリアを中心にヨーロッパや西アジアなどの世界の主要ブドウ産地で広く栽培されています。糖度は21~22度、一粒重は7~12g。酸は少なく、香りはないですが、味は非常においしい。熟期は8月下旬でやや病気に弱いが露地でも栽培可能。

白色系の品種は黄緑色に熟すと果皮に茶褐色の斑点の入ることがありますが、本種は少し目立つようです。小売店などでは見た目を気にするようですが、ヨーロッパなどではまったく気にされないようです。逆に完熟している目安になると思っています。

写真は植原葡萄研究所より引用。